【実録】37歳で人事未経験で人事職にキャリアチェンジ(転職)した話
Web2022年2月20日
約14年近く勤めたWeb制作会社をこのたび退職し、保育系Tech企業に転職しつつ人事にキャリアチェンジすることになりました。37歳という年齢で新たなチャレンジをすることになりますが、今回転職に至った経緯と実際どのように転職活動を進めたか備忘録として残しておきたいと思います。
転職を志したきっかけ
あんまり業務内容を詳細に記すと身バレしそうなので簡潔に。
一番の理由はシンプルで、直近の業務が人事職ではないのですが人を扱う側面が非常に強く、「もっと直接的に人と仕事を結び付ける仕事がしたい」「長い社会人生活において一度は人事に軸足を置いて仕事をしてみたい」という強い気持ちがあったからです。
また、人事はどこの会社でも必要になるためポータブルスキルとして今後必要とされ続けるであろうこと、本記事執筆時点で37歳なのですがこれ以上先になってしまうとチャンスを失うことになるかもしれないと考え、今回転職に至った次第です。
元の会社で人事を目指すという道もありえたのですが(実際に退職を上長に告げた際には人事部への異動も含め慰留いただいた)、残念ながら元の会社の人事部は素人集団であり前時代的な風土でもあることから、今後40歳に到達する2~3年である程度の人事プロフェッショナルを目指すことを考えると逆にリスキーであると考え、別の環境に身を置くことにしました。
転職活動を開始するにあたって行った準備
今回転職活動を行うにあたって以下の準備を行いました。
- 職務経歴書の作成
- 履歴書の作成
- 媒体への登録
職務経歴書の作成
「職務経歴書 テンプレート」などで検索するといくらでもネット上で見つかるのですが、今回私の場合はパワーポイント(.pptx)でプレゼン資料のような形で準備しました。転職市場からの見え方としては人事未経験となるため、通り一辺倒のやり方では他の候補者の中に埋もれるであろうこと、またイラストや図でこれまでの実績を記したほうが採用担当者に刺さるであろうと考えました。
実物は当然ながらお見せできないですが、資料としては以下の構成で作成しました。プレゼンスキルのある方、提案資料作成スキルのある方にはおススメの方法だと思います。
- 経歴概要
- 経験業務
- 職務経歴
- 採⽤・マネジメント実績
- テクニカルスキル
- 保有資格
- 経験・知識・技術
- ⾃⼰PR
- 今後の展望
まずは自分でタタキを作成後にdodaのキャリアドバイザーの方にも2~3回ほど添削いただき、ブラッシュアップを重ねてから各企業様への応募を行いました。結果としてはこの進め方は大正解で、企業様によっては「この資料を作る人はどんな人なのだろうと本日の面接を楽しみにしておりました」というコメントもいただきました。
履歴書の作成
先に証明写真(デジタルデータ含む)を用意します。当然ながらそのへんにある証明写真機ではなく、ちゃんとした写真屋さんで写真を撮りましょう。仕上がりと第三者に与える印象が段違いです。後述しますがPDFで作成した履歴書に写真を貼り付けられるよう、デジタルデータももらうようにしましょう。
履歴書は一昔前の様に紙ベースで用意する必要はありません。dodaのサービスに登録すると「Web履歴書」を作成でき、これを「企業提出用」としてPDF印刷することができます。さらにこれに対して前述の写真屋さんなどで撮影した証明書用写真データを使い、AcrobatなどPDFを編集できるソフトを利用して写真欄に貼り付ければ、「写真付履歴書」をデジタル上で全て作成を完結させ、そのままdoda以外の媒体経由での選考でも履歴書として提出することが可能となります。
媒体への登録
履歴書はdodaのサービスで作成できますので、先に職務経歴書と証明写真が準備できたら各媒体への情報登録を進めます。今回私の場合は以下の媒体に登録しました。
doda
10年以上前ですが過去に転職活動を試みた際、非常に使い勝手がよかったので今回も使用しました。専属の転職アドバイザーが付くので職務経歴書の添削などを始め色々と転職の相談にのっていただけること、また面接が進んだ際の年収交渉などもアドバイザーを通じて行うことができ、あらゆる面でのサポートが無料で受けられるので使わない手はありません。また、必要な情報を全て登録して「Web履歴書」を完成させることで、あわせてdoda以外の媒体経由での選考でも「企業提出用」の履歴書が作成できますので、転職活動のプラットフォームとしてかなり今回活用しました。
1つだけ注意点としては、電話番号含め登録するとdodaの方から電話がかかってきます。「一度転職アドバイザーとお話させてください」というある種営業電話のようなものなのですが、登録後すぐに電話がかかってきますので、仕事中は昼休みも含め登録は控え、自宅にいる際に登録を行うことをおススメします。
Wantedly
Wantedlyはスタートアップの企業が利用しているイメージが強いですが、中にはベンチャーを抜け出したある程度の規模の企業も多く登録されており、今回私が人事未経験だったこともあり間口を広げる目的で、Wantedlyにも登録しました。
他の通常の媒体に比べてSNSの側面が強いこと、またフランクな雰囲気で使用できるのでプロフィール写真は家族の記念写真を使用した爽やかさ全開の写真で第一印象の効果を最大限出すことを狙いました(笑)
今回の転職活動で一番手応えのあった媒体です。やはり入口が面接ではなく「まずはお会いして話してみましょう」というカジュアル面談となるので、私の経歴や実績を直接お伝えできる機会も多く、正式な選考に進めていただいた会社さんはそれなりの数ありました。人事職でのスカウトメッセージも多くはないですがそれなりにいただきまして、後述しますが今回入社を決めた企業様も結果としてWantedlyでスカウトをいただいた企業様でした。
Wantedlyを使用するにあたっての一番肝はとにかくプロフィールの作りこみです。今回私も相当プロフィールページの文章を作りこみまして、それもあってか効果が高かったのだと思います。「この先やってみたい事」のセクションで「なぜ人事なのか「人事で何を成し遂げたいか」「人事で活かせるスキル」の3つの軸でこれまで培ってきた経験と人事職への展望が一つの線でなることを意識して、相当量の文章で書き記しました。
結果、文章とは言えど「熱い想い」が読み手に少なからず伝わり、「スカウトメッセージを送ってみよう」というアクションを起こしていただけるケースがあったのかなと想像しています。
ちなみにあくまで私の実体験によるものですが、採用側は別ですが応募者の立場の場合有料プランは必要ないと思います。今回無償版でまったくのストレスなく使用し、内定までこぎつけることができました。
MS-Japan
ネット上で媒体を吟味している際、「バックオフィス系の募集ならココ!」という内容をネットを見たのでとりあえず登録してみました。しかしながらサイトが一昔前でUIが使いづらい上、一つの処理(画面遷移)でありえないほど時間がかかるので、早々に転職媒体として使用する気が失せまして、結局登録しただけでほとんど使いませんでした。。。
試しにいくつか応募してみたりもしましたが、結果も芳しくありませんでした。
OpenWork(旧:Vokers)
こちらも応募媒体としての使用頻度は多くなく、20~30ほど応募はしてみましたが面接まで辿り着いた企業は一つもありませんでした。むしろエージェントからの売り込みメッセージが多かった印象で、基本的には口コミチェック用のサイトとして使用していました。
最終的にWantedlyのスカウトで内定まで到達
お恥ずかしい話、転職活動自体は順調とは言えない状況が続いていました。現在の業務が人事に通ずる部分もあったのですが、外部から見ると「人事未経験」として扱われてしまうこともあり、10社応募して1社面接に進めばよいほうで、そもそもある程度のお給料をいただいていたこともあり、それなりの規模の企業の人事に転職し希望である採用業務に従事しつつかつ収入を維持する、というのは至難の業でした。しかしうまくいかない状況である反面、面接に進んだケースではある程度手応えを掴んでいた部分もあり、「明らかに狭い門ではあるがこじ開けられなくはなさそう」という感触のもと、粘り強く活動を続けていました。
しかし現在の会社での業務も忙しい中、長期に渡り転職活動を行っていると体力的に段々転職活動そのものが面倒になってきます。そんな中1ヶ月半ほど活動していた頃、2社ほど内定まで辿り着けそうな状況になり、「ここで決まらなければ転職活動は終了にしよう」という意志の元ラストスパートを実施。2社の特徴としてはザックリですが以下の通りです。
A社:Web決済の事業会社
- 面接官の取締役がどうも適当そうな印象
- 給与はお話を聞く限り現状を維持できそう
- 採用のプロはいなさそうなので自分で開拓していく必要がありそう
- 週4回でリモートは可能(これは魅力的)
B社:保育系Techの事業会社
- 事業内容は社会貢献性が高くとても魅力的
- 各分野における人事のプロがおり、短期間で吸収できる土壌はありそう
- 但しリモートは週1~2回くらいになりそう
- 給与はA社よりも低くなりそう
結論から言うと、B社の企業に入社することに決めました。最初に提示いただいた労働条件通知書に記載された待遇は現状及びA社より低いものであったのですが、正直に他社からも内定が出ていることおよび生活を考えるとオファーをお受けするのは難しそうだ、とご相談したところオファー面談の場では受け入れていただけなかったものの後日再度オファーをいただき、全ての条件が整いました。結果、A社はお断りさせていただきB社への入社が確定する形で転職活動が終了いたしました。
まとめ
14年勤めた会社を離れるというのは非常に勇気のいる事で、決して居心地が悪かったわけでもないので今後この転職が成功となるのかはわかりません。ただ「あの時転職しておけばよかった」と後悔するよりも、「転職して成功とは言えなかったかもだけどまあ自分が選んだ道だから仕方ないな」と思うほうがよいな、と考えて今回転職という決断をいたしました。
未経験で人事というフィールドへの転職を「37歳で給与を微減におさめる程度」で実現できたことは本当に運がよかったと思います。今後人もカルチャーも異なる会社で壁にぶちあたることもあるでしょうし年齢も年齢なので自己研鑽も必須になってくるでしょう。ですがこれも希望ある将来に続いているものと考えて、真摯に謙虚に仕事をしていこうという決意を新たにした次第でした。