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【倍返し第4弾!】半沢直樹シリーズ最新作「銀翼のイカロス」を読破したのでレビュー

Web2017年5月22日

今さらですが、2013年に今世紀最高となる最高視聴率42.2%をただき出したモンスタードラマ、半沢直樹シリーズの最新作「銀翼のイカロス」を読破しましたのでレビューしてみたいと思います。

  • 本記事の内容には一部ネタバレも含まれておりますのでご容赦ください

これまでの半沢直樹シリーズ

2013年に放送されたドラマの原作となったのは「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」であることはよく知られているかと思います。最終回では北大路欣也さん演じる中野渡頭取が「出向を命ずる!」の一言で幕を閉じ、衝撃を与えました。

その後東京セントラル証券に出向した半沢直樹の活躍を描いたのが「ロスジェネの逆襲」ですが、この作品の最後で半沢直樹は本籍である東京中央銀行に戻ることになります。さらにその続編となるのがこの「銀翼のイカロス」となります。

登場人物

東京中央銀行

半沢直樹 営業第二部次長。出向先の東京セントラル証券に出向していたが実績が評価され東京中央銀行の営業第二部に戻ってきた。本作では頭取命令により、経営破綻した帝国航空の再建担当に任命される。
内藤寛 営業第二部長。半沢の直属の上司でよき理解者。「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」にも登場。ドラマでは吉田鋼太郎さんが演じていたので、彼を想像して読むとシーンがイメージしやすい。
中野渡謙 頭取。第1作目の「オレたちバブル入行組」から登場。本作では帝国航空の再建に向けて実力のある半沢を担当者として指名する。ドラマでは北大路欣也さんが演じていたので、彼を想像して読むとシーンがイメージしやすい。
紀本平八 債権管理担当の常務取締役。旧T(旧東京銀行)の派閥意識が強く、再生タスクフォースからの要求である債権放棄について拒絶の稟議をあげようとする半沢をことごとく邪魔する。
曽根崎雄也 審査部次長。元々帝国航空の担当であったが、再建計画が進まないことから半沢に担当替えされたこともあり、半沢に対して快く思っていない。
田島春 審査部調査役。半沢の部下としてともに帝国航空の再建に携わる。
渡真利忍 融資部企画グループ次長。ドラマでは及川光博さんが演じていたので、彼を想像して読むとシーンがイメージしやすい。やはり人事情報に鼻が利いており、本作でも半沢と飲みに行くシーンが多い。
近藤直弼 広報部次長。ドラマでの鬱っぷりが印象に残っている人も多いと思います。やはり滝藤賢一さんが演じていたので、彼を想像して読むとシーンがイメージしやすい。本作では出番は控えめ。

開発投資銀行

政府系金融機関であり、帝国航空のメインバンク。

谷川幸代 企業金融部第四部次長。半沢と同じく帝国航空再生タスクフォースから大幅な債権放棄を要求され窮地に立たされる。半沢と意志は同じで自立再建できる帝国航空に対し債権放棄する必要は無いと考えており、債権放棄の拒絶の道を探るべく行内で尽力する。

帝国航空再生タスクフォース

政権交代で国土交通大臣となった白井亜希子の諮問機関。

乃原正太 弁護士。帝国航空再生タスクフォースのリーダーとして白井亜希子に任命される。銀行に対し大幅な債権放棄を要求。これを拒絶する半沢とは対立することとなる。あるスジから旧東京銀行が政治家の箕部啓治に対し不正融資を行ったことを掴んでおり、これをネタに東京中央銀行の常務取締役である紀本に脅しをかけている。
三国宏 サブリーダー。

進政党

的場一郎 内閣総理大臣。本作で登場する場面はほとんど無い。
白井亜希子 国土交通大臣。アナウンサーから政治家へと転身し、当選回数は少ないながらも、箕部啓治の後ろ盾もあって大臣の座をつかみ取った。おそらくモデルは同じ民主党政権時代国土交通大臣であった前原誠司氏と思われる。
  • 前原誠司はJAL再生タスクフォースを諮問機関として設置している
前政権下で帝国航空と半沢らが準備した再建案を白紙撤回し、半沢らと対立することになる。
箕部啓治 進政党の重鎮。旧東京銀行より不正融資を受けた過去がある。与党であった憲民党から離れていることからも、モデルは小沢一郎氏であると思われる。

帝国航空

神谷巌夫 社長。再建が思うように進まない現状と、企業年金改革におけるOBとの板挟みにあっている。
山久登 財務部長。

金融庁

黒崎駿一 検査官。「オレたち花のバブル組」では伊勢島ホテル絡みの金融庁検査で初登場し、半沢とは犬猿の仲。本作では政権を奪取した進政党の意向で東京中央銀行に対し、帝国航空の再建についてヒアリングを行う立場として登場。オネエ言葉は健在で、ドラマでも演じていた片岡愛之助そのままでイメージ可能。

あらすじ

帝国航空は業績の悪化により2回にわたり再建計画の下方修正を行っていたが改善の兆しがみられず、東京中央銀行の中野渡頭取は実績のある半沢を修正再建案のフォローをするよう帝国航空の担当として任命する。

半沢は帝国航空とともに再建案を取りまとめたのもつかの間、政権交代により新国土交通大臣である白井亜希子によって帝国航空の再建案は白紙撤回される。白井亜希子の立ち上げた諮問機関、「帝国航空再生タスクフォース」により大幅な債権放棄を迫られる半沢はこれを拒否。

旧政権からの脱却をイメージ戦略として展開する白井および債権放棄を迫るタスクフォースと真っ向から対立することになった半沢は、この難局を打開できるか――?

本作のモデル

自由民主党から民主党への政権交代およびJALの経営破綻がモデルになっていることは言うまでもないでしょう。ここに政治家の闇に加えて銀行の過去の不正融資、半沢の正義感が密接に絡んでページをめくる手が止まりません。おもしろいです。

政治家では帝国航空再生タスクフォースを諮問機関として設置する白井亜希子が最も多く登場しますが、これは同じ国土交通大臣であった前原誠司氏であると思われます。JAL再生タスクフォースを設置した点は前原氏そのままで、これにアナウンサー上がりの女性というエッセンスを加えており、このあたりは蓮舫氏をミックスさせたような印象を受けます。

銀行に対し再生タスクフォースが債権放棄を要求する点も同じで、銀行がこれに大して拒絶の意思を示すのも現実と同様ですね。

痛快感は控えめ

展開はこれまでのシリーズと同様で、悪役(本作では再生タスクフォースと進政党)の悪事を暴き追求する、といったお決まりの展開で安心して読み進められます。ですが、これまでの作品に比べて幾分か「懲らしめた感」「叩き潰した感」は控えめのように感じました。この展開に慣れてきてしまったのもあると思いますが、やはり「オレたちバブル入行組」で支店長の浅野匡を追い詰めたシーンを超える痛快感はなかったかなと。

ですがそれを差し引いても政治家、航空会社といった大きいスケールでの半沢の立ち回りや活躍は目を見張るものがありますし、相変わらず行内の利権ばかりを気にする小物への制裁など小気味のいい展開は健在です。

これまでのシリーズ同様、展開が気になって一気に読みたくなります。最初はゆっくり読むつもりだったのですがどうしてもページをめくる手が止まらず、結局4時間ほどで読破してしまいました。

ドラマの続編(半沢直樹2)について

ドラマの続編が噂になっては立ち消えとなっていますが、第一弾から時間が経ちすぎてしまいましたし、あまり期待しない方がいいのかもしれません。堺雅人さんはもちろんですが、他の脇を固めるメンバーも同じでないと、面白さが半減してしまう気もします。

あれだけドラマでも盛り上がったのも、原作を知らない多くの人が見ていて先が読めず盛り上がった側面もあると思われます。

これだけ半沢直樹シリーズが有名になった今、「ロスジェネの逆襲」も「銀翼のイカロス」も「内容を知っている」うえでの視聴になるので、当時ほどのドキドキワクワクを超えることは難しいのかなと。

まとめ

半沢直樹の代名詞は本作でも健在です。

「たとえ相手が政治家だろうと、関係ない。この際、きっちり片をつけてやる。――やられたら、倍返しだ」

2017年5月現在、本作の続編の執筆情報がないことからも、半沢直樹シリーズはこれで1つの区切りなのかもしれません。本作でまた半沢直樹は実績を残したので、次は部長に昇進しないと不自然になってきます。かといって部長以上になると実務を行うというより中間管理職の側面が強くなるため現場に携わる機会は少なくなり、銀行内の政治に奔走するシーンが多くなってしまうのではないでしょうか。

もし作者である池井戸潤さんの中でさらなる続編が頭の中にあるのであればとても嬉しいですね。望み薄ではありますが、密かに期待したいと思います。

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